332ページと結構なボリュームなのだが、ほぼ守田一郎の書簡だけで構成されている。帯には『京都の大学から、遠く離れた実験所に飛ばされた男子大学院生が一人。無聊を慰めるべく、文通武者修行と称して京都に住むかつての仲間たちに手紙を書きまくる。手紙のうえで、友人の恋の相談に乗り、妹に説教を垂れ―。』などと、もっともらしいことが書いてあるが、内容は『おっぱい万歳』である。とにかく『おっぱい』なのである。おっぱいだらけ。♪ふたつの胸の?、ふくらみは♪などと歌いながら読むのがよろしかろう。

うっかり病院の待合室で読み始めてしまい、笑いをこらえるわたしの姿は周囲からどう見えたのか…想像したくない。おまけに医者に『お、今日は元気だね』と誤解されてしまった悪書である。調子良かったら病院なんて行かない。

これだけ楽しめて1,500円は安い!とわたしは思いましたが、如何?

追伸:勝手な推測ですが最後の企みもやっぱり失敗に終わるような…。

 

『スローフードって楽じゃない。手間ひまかけて、汗かいて。だけど、そうやって辿り着いたひとくちには、本当の美味しさが満ちているのです。当世きっての漫画家が描く、本物のネイチャー・ライフ。』

…と帯には書いてあり、たしかに各話何かしらを料理し、実にうまそうに食べている(空腹時には読めない)のですが、グルメ漫画ではなく、主人公が自分を見つめ直すというのが主題。

『コトバはあてにならないけど わたしの体が感じたことなら信じられる』(1巻P.19より)
『あんた何をするのがその人のためになって どうするのがその人のためにならないなんて そんなことわかるほどの経験積んできたの?よく知りもしないのに?』(1巻P.25より)
『自分自身の体でさ 実際にやったことと その中で自分が感じたこと 考えたこと 自分の責任で話せることはそれだけだろう? そういう事をたくさん持っている人を尊敬するだろ 信用もする』(1巻PP.122-123より)

というように田舎暮らしを題材に、自分を見つめ直していく。舞台にはモデルがあるようで(おそらく筆者の住み家)、

『小森は東北地方のとある村の中の小さな集落です。商店などは無くちょっとした買い物なら役場のある村の中心まで出ると 農協の小さなスーパーや商店が数軒。行きはおおむね下りなので自転車で30分くらい 帰りはどのくらいかかるかなぁ…。冬は雪のため徒歩になります。のんびり1時間半でしょうか』

と書いてあります。

同作者が、飼い猫(名前はカボチャ)のことを書いた『カボチャの冒険』も一緒に読むと味わい深いです。どちらもわたしが枕もとに置いているコミックです。

 

人類が初めて遭遇した異星人として歓迎されるはずだったシュメール星人。各国が受け入れ先を押し付けあったその数年後、一人のシュメール星人が「駐日異文明ふれあい大使」に着任した。乾ききった現代社会の軋轢を耐え忍び、家族のため、仲間のために、日々生きていかなければならないのだ。もがけシュメール星人。報われろシュメール星人。あと1年住め。裏表紙より

第1話を試し読みできるのでぜひどうぞ。→『ここ』

駐日異文明ふれあい大使として平穏無事に暮らさなければいけないのですが、何をやっても裏目裏目に出て警察で調書を撮られていることが多いシュメール星人。基本的には親切な小心者でとても良い人なだけに、何もそこまでいじめなくても…と言いたくなるのですが、歯車がかみ合わない不条理なでき事が連続するというところは共感しています。

 

4巻読みました。影山さんまさか…、そりゃ仁さん荒れるよねぇ。

地球全体が自然保護区域になり、降りることが許されなくなった。地上35,000mの上空に浮く土星の環のようなリング状構造のマンションに人々は暮らしている。リングシステムは、上層・中層・下層は三つに分かれていて、名前の通りの差別がそこにある。主人公ミツはリングシステムの窓拭きを仕事にしている。そこでの人間模様を書いたコミック。設定としてはSFですが、作者の書きたいことはSFではなくてヒューマンドラマ。上がって飯食ってけ…みたいな暖かい人や、俺はあいつを許さないという人や、たくさんの人がミツの周りにいる。実写映画化が決定しているようだ。

出版社 作品紹介ページ

 

吾妻ひでおは、一般的にはアニメ ななこSOSの原作者として知られている…のかしら?のちに、鬱・自殺未遂・失踪・路上生活・肉体労働・アルコール中毒・強制入院という実体験を書いた『失踪日記』で注目を集め、第34回日本漫画家協会賞大賞、平成17年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、第10回手塚治虫文化賞マンガ大賞、第37回日本SF大会星雲賞ノンフィクション部門を受賞する。(失踪日記は、悲惨な実体験を第三者的視線からコミカルに書いた名作。何度読み返したことか…。)

その吾妻ひでおが若いころを回想した自伝作品。漫画家を目指して上京し、仲間とともにデビューを目指すという、吾妻ひでお版 まんが道。ただ吾妻ひでおのフィルターを通した異世界として書かれている。師匠(板井れんたろうのことだと思われる)は馬として登場しているし、ページの…というか、各コマに何かしらの異世界の生き物がこれでもかッ!と緻密に書き込んである。こんなの書けるのは吾妻ひでおしかいないよね!という逸品。

 

結婚も離婚もしたことがなく、独り暮らしをしたこともない。キャバクラにも海外旅行にも行ったことがない。そんな「極端に臆病で怠惰で好奇心がない性格」のほむらさん・四十二歳が、必死の思いで数々の「現実」に立ち向かう。献血、モデルルーム見学、占い、合コン、はとバスツアー…。経験値をあげたほむらさんが最後に挑むのは!?「虚虚実実」痛快エッセイ。(裏表紙より)

久しぶりに本を読んで爆笑しました。健康ランド体験や、一日お父さんは、何度読んでも笑えます。うっかり電車の中で読んでしまったのが痛恨。笑いをこらえきれませんでした。

 

ボーイスカウトの機関紙に連載されたもののようです。ちょうどわたしが機関紙を読まなくなった時期なので知りませんでした。ロープワークについて詳しく書いてあります。内容が専門的すぎて、ロープワークの入門用としてはきびしいと思いましたが、少しでも経験のある人にはとても参考になる本です。

 

絵かき歌で脳と体が若返る! へのへのもへじの絵かき歌。ちなみに出版社の本紹介には、楽しみながら「脳トレ」できる、大人のための「絵かき歌」本!とか、ものすごい文章になっていますが、これ対象年齢はいくつぐらいなんでしょうねぇ。子どもをターゲットにしていないところが斬新。

 

河地大吉は祖父の死により突然現れた隠し子・りんを引き取り、育てることに。家族や周りの人々に助けられつつ、慣れない子育てに日々奮闘中。(2巻冒頭あらすじより)

亡くなった祖父に隠し子がいて、それを『子どもキライ、女も苦手』という独身男 大吉が引き取り、かなり手さぐりな子育てをするという話です。いろいろ都合がよすぎる展開もありますが、子どもってこんな感じというのがうまく書いてあって、とても面白い。1巻でりんちゃんは6歳、4巻でりんちゃんは(おそらく)7歳。このペースで話が進むのかと思っていたら、5巻ではいきなり10年経過して高校生、表紙を見てびっくりしました(裏表紙にも驚きましたが…誰だよ、お前 :D )。4巻までは話がドロドロしても子どもがかわいいのが救いになっていましたが、その子どもたちも高校生になって思い悩みも深くなり、いったいこの話どう終わらせるつもりなのかと、続きが気になります。

 

切り絵師 梅吉が描いた…いや、切ったコミック。なんと吹き出しの中の文字まで切ってある。内容は『私 酒が大好きでして日本全国の酒蔵に行って無料で試飲しまくって旅もできて仕事にもなって そんな浅知恵紀行漫画です』と本人が描いて…いや切っているが、紀行漫画というよりはただの酔っ払いの話であり、でもそれを猫とのぼけ・突っ込みでほほえましく書いてある。さすがに文字まで切っていると生産性に問題があるようで、6割ほどが本人曰く浅知恵紀行漫画となっているが、残りは付録の作製現場だとか、いろいろ寄せ集めて何とか1冊にしたという感じ。個人的には酔っ払い漫画をもっと読みたかったのだが、なにより、世界初の切り絵漫画 単行本というところを評したい。

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